売却したい不動産の査定方法は机上と訪問の2種類!価格相場の調べ方も解説

不動産売却

売却したい不動産の査定方法は机上と訪問の2種類!価格相場の調べ方も解説

不動産を売却するには、不動産会社に依頼し、不動産価格をいくらに設定するか決める必要があります。
しかし、不動産売却に関する知識がなく、何をどうすれば良いか判断がつかない方は珍しくありません。
そこで今回は、不動産売却に必要な机上査定と訪問査定の概要を、自分で価格相場を調べる方法と併せて解説します。

査定前に売却する不動産の価格相場を自力で調べる方法

査定前に売却する不動産の価格相場を自力で調べる方法

売却したい不動産の査定を依頼するなら、事前に自分で価格相場を調べておくことをおすすめします。
査定価格の相場を理解していれば、査定結果が適切か確認でき、相場を下回る価格で売却するリスクを回避できるでしょう。
自力で不動産の価格相場を調べる方法は、レインズと不動産情報ライブラリ、そしてポータルサイトの3パターンです。

レインズを活用した価格相場の調べ方

レインズとは、不動産の取引情報を掲載した専用サイトで、正式名称をレインズ・マーケット・インフォメーションと言います。
運営元の不動産流通機構は、国土交通大臣の指定を受けた全国の4団体で構成されており、全国の指定流通機構連絡協議会が所有する過去の成約価格を参考に取引情報を閲覧できます。
レインズで閲覧可能な情報は、直近1年間に取引された不動産の情報に限定され、各不動産の詳細な住所や建物の名称などは確認できません。
あくまでもエリア単位で不動産の価格相場を調べたいときに有効な方法です。

不動産情報ライブラリを活用した価格相場の調べ方

不動産情報ライブラリとは、国土交通省が運営するサイトで、過去の不動産取引に関する価格情報を閲覧できます。
掲載されている情報は、不動産の取引価格をはじめ、地価公示や都道府県の地価調査価格、不動産の面積および間取りなど多岐にわたるのが特徴です。
2005年以降の不動産取引に関する情報が確認できるため、レインズよりも長い期間における不動産取引の情報を参考にできます。
取引時期や不動産の種類、エリアなど条件をしぼって検索可能であり、売却したい不動産と類似する物件の価格を参考に価格相場を確認できるでしょう。

ポータルサイトを活用した価格相場の調べ方

ポータルサイトは、不動産を探している方に情報を届ける目的のもと、不動産の売却活動で広く用いられる情報の掲載先です。
掲載情報には、不動産の写真も掲載されており、売却予定の不動産と似た物件がいくらで売り出されているか確認するときに役立ちます。
なお、ポータルサイトに掲載されている価格は売り出し価格で、成約価格ではありません。
売り出し価格のおよそ85%が成約価格になると認識したうえで参考にしましょう。

▼この記事も読まれています
不動産売却で売主が用意する必要書類とは?売却前から決済時の準備物を解説

売却する不動産の査定方法「机上査定」とは

売却する不動産の査定方法「机上査定」とは

不動産の査定方法である机上査定と訪問査定は、それぞれ特徴が異なり、目的に応じて査定方法を選択する必要があります。
まずは、机上査定の概要を確認しましょう。

机上査定とは

机上査定は、査定する不動産を目視で確認せず、情報だけを頼りに査定価格を決める方法です。
査定を依頼された側は、現地に足を運ぶ必要がなく、簡易査定の別名で呼ばれることもあります。
不動産売却のほかに、引っ越し代や自動車の売却価格を調べたいときにも用いられる査定方法で、幅広いシーンで活用されやすいです。

机上査定の特徴

机上査定ならではの特徴は、査定依頼から査定結果の通知までの期間が短い点です。
不動産の査定価格を知るために机上査定を依頼すると、電話あるいはインターネットを介して査定を申し込んでから2日以内、遅くとも3日以内には結果が伝えられます。
漠然と不動産の売却を検討しているだけで本格的にはまだ考えていない方、簡単に相場価格だけを確認したい方は机上査定が向いているでしょう。
また、机上査定は不動産会社の担当者が物件を訪れることがなく、訪問するタイミングで立ち会う必要がありません。
仕事やプライベートなどで多忙により立ち会う時間が確保できない方、売却したい不動産が遠方にある方にも机上査定が適しているといえるでしょう。

机上査定に用いられる情報と算出の根拠

机上査定では、過去に類似物件が取引された事例のデータや実績、周辺エリアの需要などを総合的に判断して不動産の価格が算出されます。
具体的には、不動産の住所や種類、延べ床面積および土地面積、間取りのほかに以下の情報が用いられます。

●不動産の築年数
●所有者や共有名義人など、不動産を売却する方と物件との関係性
●査定を必要とする理由
●氏名や年齢など不動産を売却する方の個人情報
●不動産売却の希望時期


机上査定は、特徴が物件ごとに異なる一戸建て住宅よりも、取引事例が豊富な集合住宅を対象にしたほうが比較的精度が高くなります。
また、査定結果の精度を少しでも高めたいなら、売却したい不動産の周辺エリアで何件もの不動産を取引した実績をもつ不動産会社に依頼すると良いでしょう。
エリアの特徴を踏まえた価格を算出してもらえる可能性が高くなります。

▼この記事も読まれています
不動産売却が長引く原因とは?平均的な期間や対処法について解説

売却する不動産の査定方法「訪問査定」とは

売却する不動産の査定方法「訪問査定」とは

同じ不動産査定でも訪問査定は、さまざまな点において机上査定と異なる特徴が見られます。

訪問査定とは

訪問査定は、不動産の情報にプラスして、現地での調査結果を参考にして、不動産価格を算出する方法です。
売主から依頼を受けると、不動産会社は担当者を現地に派遣し、目視での確認などのさまざまな調査がおこなわれます。
机上査定に現地調査の結果を追加して算出する方法が訪問査定であるとの認識で問題ありません。

訪問査定の特徴

訪問査定は、机上査定と比較して査定価格の精度が高い点が特徴的です。
不動産のプロが直接自分の目で確認した情報を含めて査定するため、不動産の状態が価格に反映されやすく、相場と大幅に外れるリスクは低いといえるでしょう。
売却前提で手続きを進めている方や引っ越しの日程を決めている方、なるべく早めに売却したい方は、訪問査定を選択することをおすすめします。
ただし、訪問査定は、不動産だけでなく現地調査も必要になるため、調査から査定結果が伝えられるまでには早くても1週間、ケースによっては10日ほどの期間を要する可能性があります。
査定結果がわかるまで日数がかかることを理解し、スケジュールに余裕をもって依頼すると良いでしょう。
机上査定を依頼してから訪問査定をおこなうと日数がかかるため、急いで不動産を売却したいなら最初から訪問査定を依頼しても構いません。

訪問査定の前に必要な準備

より正確な調査結果を知るためには、訪問査定までに必要な準備を済ませることが大切です。
訪問査定には、必要な書類が多く、計画的に準備することが求められます。
情報が詳細であるほど査定価格に正確性が増し、プラスの結果につながる可能性が高まるため、なるべく多くの書類をそろえましょう。
必要書類には、登記簿謄本や権利書、購入当時の資料および図面などが挙げられます。
購入時にもらった重要事項説明書と売買契約書、住宅性能評価書やアスベスト使用調査報告書などは提出は任意ですが、手元にあるときは提出すると良いでしょう。
また、現地訪問において担当者に好印象を与えるためにも、室内の掃除も事前に済ませておくことが大切です。
直接的な評価に結び付く可能性は少ないですが、清潔に整えておくと不動産自体の印象が良くなります。
売却活動を進めるなかで内覧が必要になっても、事前に隅々まできれいにしておけば焦らずに対応できるでしょう。
玄関と水回り、バルコニーは汚れが目立ちやすいため、念入りに掃除しておきましょう。

▼この記事も読まれています
不動産売却で必要な税金の種類とは?譲渡所得税の計算と節税ポイントを解説

まとめ

不動産売却における査定方法には、机上査定と訪問査定があり、簡易的な結果で良い方は机上査定が適しています。
不動産の売却を本格的に考えている方は、現地調査を含む訪問査定を依頼したほうが良いでしょう。
査定価格が適切か判断できるよう、忘れずにレインズなどを活用して不動産の価格相場を調べておくと安心できるはずです。


”不動産売却”おすすめ記事

  • 実家じまいとは?必要な準備や実家の処分方法を解説!の画像

    実家じまいとは?必要な準備や実家の処分方法を解説!

    不動産売却

  • 不動産売却にかかる仲介手数料はいくら?計算方法をご紹介の画像

    不動産売却にかかる仲介手数料はいくら?計算方法をご紹介

    不動産売却

  • 不動産売却後の確定申告が不要なケースは?確認方法や忘れるリスクを解説!の画像

    不動産売却後の確定申告が不要なケースは?確認方法や忘れるリスクを解説!

    不動産売却

  • 不動産売却時における減価償却とは?計算方法や注意点について解説の画像

    不動産売却時における減価償却とは?計算方法や注意点について解説

    不動産売却

  • 不動産売却は法人と個人でどう違う?税金の計算や節税についてご紹介の画像

    不動産売却は法人と個人でどう違う?税金の計算や節税についてご紹介

    不動産売却

  • 不動産の売却益とは?売却益の計算方法や課される税金の節税方法を解説の画像

    不動産の売却益とは?売却益の計算方法や課される税金の節税方法を解説

    不動産売却

もっと見る