不動産売却にともなう火災保険解約の手続きは?返金の可能性も解説

不動産売却

不動産売却にともなう火災保険解約の手続きは?返金の可能性も解説

不動産売却をおこなう場合、今まで利用していた各種サービスの解約が必要になります。
解約が必要となるサービスには、電気・ガス・水道のほか、火災保険などが含まれることに注意が必要です。
そこで今回は、不動産売却をお考えの方に向けて、火災保険解約の手続き方法とともに、解約で返金があるかどうか、解約前におこないたい修繕について解説します。

不動産売却時に火災保険を解約するための手続き

不動産売却時に火災保険を解約するための手続き

不動産売却にともない火災保険の解約が必要だとわかっていても、具体的な手続きの方法をご存じないかもしれません。
スムーズな不動産売却のために、まずは火災保険の解約手続きをチェックしましょう。

解約手続きのタイミング

不動産売却を進める場合、火災保険は売却が完了してから解約する必要があります。
不動産売買契約が済めば火災保険を解約しても問題ないと思われるかもしれませんが、このタイミングでの解約には大きなリスクがあることが注意点です。
不動産売買契約が済んでいても、最終的な引き渡しと名義変更が済むまでは、火災保険は継続しておきましょう。
不動産売買契約後に引き渡すまでの間に火災が発生した場合、売主の責任で修繕などをおこなわなければなりません。
売主の責任がなくなるのは、物件引き渡しと名義変更が済んだ後ですので、これより早く解約しないよう注意しましょう。

火災保険の解約手続きの仕方

不動産売却にともない火災保険を解約するには、電話連絡と書類の送付手続きが必要です。
火災保険は不動産を売却すれば自動的に解約されるものではなく、解約は自己申告となります。
解約手続きの最初には電話連絡が必要ですが、できるだけ早いタイミングでおこなうのがおすすめです。
電話連絡をした時点で火災保険は解約されず、解約のための書類が送付されます。
実際に火災保険が解約されるのは、送られてきたこの書類を提出した後です。
送られてきた書類には、解約日を記載する欄がありますので、不動産の引き渡しと名義変更が済んだ後の日付を記入しましょう。

早めに書類を提出しても良い?

火災保険解約手続きのために提出する書類には、解約日を記載する欄があります。
そのため、引き渡しと名義変更の日以降を解約日としたうえで、早めに書類を提出しようと思われるかもしれません。
しかし、火災保険解約にともなう書類の提出は、実際に引き渡しと名義変更が済んだ後とするのがおすすめです。
売却が完了してからの書類提出をおすすめするのは、引き渡しと名義変更のスケジュールが延期になる可能性があるためです。
やむを得ない事情により引き渡しと名義変更のスケジュールが変わってしまうと、火災保険が必要な期間も変わります。
無保険状態の期間が生まれた場合、火災が発生時に売主が責任を負うことになりますので、書類提出のタイミングには注意しましょう。

不動産売却時に火災保険を解約した場合の返金について

不動産売却時に火災保険を解約した場合の返金について

火災保険を契約途中で解約した場合、返金を受けられる可能性があります。
どのようなケースであれば返金があるのか、具体的な内容を確認しましょう。

掛け捨て型の火災保険における返金

火災保険には掛け捨て型と積み立て型の2種類がありますが、一般的な火災保険は、掛け捨て型となります。
保険料を掛け捨てにするこのタイプの火災保険は、場合によっては返金を受けられる可能性があります。
掛け捨て型の火災保険で返金される可能性があるのは、残りの契約期間に応じた解約返戻金です。
解約返戻金として返金されるのは、支払い済みの火災保険料を月割りで計算し、残存契約期間をかけ合わせた全額ではありません。
解約返戻金額には返戻率の考え方が適用されることが、返金におけるポイントです。
具体的な返戻率は加入先の保険会社によりさまざまで、保険加入から時間が経つごとに返戻率は低くなります。
したがって、不動産売却後は、火災保険の解約を引き延ばさず、少しでも早めに解約することが返金を多く受け取るコツです。

積み立て型の火災保険における返金

積み立て型の火災保険に加入している場合、解約返戻金だけでなく満期返戻金を受け取れる可能性があります。
満期返戻金とは、火災保険の契約期間を満了したタイミングで受け取れるお金のことです。
ここで注意したいのは、満期返戻金はあくまでも契約満了が受け取り条件であり、契約期間の途中での解約では受け取れない点です。
ただし、積み立て型の火災保険を途中解約した場合、掛け捨て型の火災保険と同様に解約返戻金を受け取れる可能性があります。
まずは、加入している火災保険が掛け捨て型なのか積み立て型なのかを確認し、受け取れる返戻金の種類と返戻金を多く受け取れるタイミングを確認してみましょう。

不動産売却時に火災保険を解約するなら事前の修繕がおすすめ!

不動産売却時に火災保険を解約するなら事前の修繕がおすすめ!

不動産売却前には、火災保険を利用した修繕ができないか確認するのがおすすめです。

火災保険の解約前に修繕をおこなう理由

火災保険は不動産売却時に契約の途中で解約することは可能ですが、解約前に火災保険給付金で修繕できるものがないか確認しましょう。
解約前に修繕をおすすめするのは、不動産引き渡し後に買主との間でトラブルが発生するのを防ぐためです。
不動産売買契約では、契約書に記載がない不具合について、引き渡し後であっても売主が修繕などの責任を負うと定めています。
したがって、不動産売却前には室内を点検し、不具合がないか確認する必要があります。
この時点で災害が原因の破損が見つかった場合は、引き渡し後のトラブルを回避するために、火災保険を利用して修繕をおこなうのがおすすめです。

火災保険による修繕内容

火災保険で修繕できるものは、契約内容により違いがあります。
建物のみを補償対象としている場合、建物・門・塀などが修繕可能です。
また、実際には建物だけでなく、物置や車庫、エアコンや水回りといった設備の修繕ができます。
一方で、建物だけでなく家財を対象とした火災保険に加入している場合には、室内の電化製品の修繕が可能です。
具体的には、テレビ・冷蔵庫・洗濯機のほか、衣類や家具などが対象となります。

火災保険で修繕ができるケース

火災保険で建物や電化製品の修繕は可能ですが、火災保険給付金の請求には条件があります。
前提として、火災保険の名前のとおり、火災など一定の災害による被害で生じた損害のみが、補償対象です。
火災保険の火災保険給付金が請求できるのは火災だけでなく、台風などの自然災害が含まれます。
具体的にどのような状況で発生した損害が補償されるかは、契約している火災保険の内容によって差があります。
一般的な火災保険であれば、雨漏り・盗難などの損害も補償してくれるでしょう。
一方で、経年劣化した部分や故意による損傷などは、火災保険での修繕ができません。
まずは、不動産売却前に修繕したい部分について、火災保険で直せるものがあるかどうかをチェックしてみましょう。

火災保険で家を修繕する流れ

不動産を売り出す前に、外壁や屋根、室内の雨漏りの跡などを確認し、火災保険で修繕できる損傷があるか確認しましょう。
火災保険で修繕できる部分があったら、火災保険申請サポート業者に連絡し、被害の全体を把握するための現地調査を依頼します。
現地調査で被害状況を把握したら、火災保険で修繕する部分を決めます。
この後に火災保険会社に連絡し、火災保険給付金の支払いを待ちましょう。
場合によっては火災保険会社の現地調査があるほか、火災保険申請サポート業者には手数料の支払いが必要です。

まとめ

不動産売却時に火災保険を解約する場合、電話連絡と書類送付が必要ですが、書類送付は引き渡しが済んだ後とするのがおすすめです。
掛け捨て型の火災保険であっても、残りの契約期間に応じた解約返戻金が返金されます。
不動産引き渡し後のトラブルを避けるためには、火災保険の解約前に火災保険給付金で修繕できる部分がないか確認することが大切です。


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